平均的な家庭用冷蔵庫の扉は、1日に22回開けられています。扉を開けるたびに冷気が逃げ、周囲の室内の暖気が庫内に入り込みます。扉を閉めると、庫内の空気と内容物を再び冷やすためにコンプレッサーが作動します。これは、使用者の電気料金と環境負荷に影響を与えます。では、飲み物やスナックなどの日常的によく使う品物を、庫内全体に影響を与えることなく取り出せるとしたらどうでしょうか。

アルミニウムダイカストによるイノベーション
大手家電メーカーの設計チームは、ダイカストの対応範囲について知るためにDynacastへ相談した際、この製造プロセスをどこで、どのように活用できるのかをまだ明確に把握していませんでした。Dynacast Elginのチームは支援に意欲的で、設計エンジニア向けのセミナーを実施しました。そこでは、技術的な対応力、取り扱い材料、家電業界におけるダイカストの利点を紹介しました。新たな設計構想をもとに、エンジニアは最適なソリューションを見つけるため、Dynacastの製造性を考慮した設計(DFM)を活用しました。アルミニウムは、軽量性と高い比強度により、チームにとって非常に魅力的な材料でした。家電メーカーのエンジニアは特に、新しいフレンチドア冷蔵庫のコンセプトに向けた意匠性を備えたアルミニウムダイカストに注目しました。この家電製品には、冷蔵庫全体を開けて冷気を無駄にすることなく、消費者がよく使う品物を取り出せるドア・イン・ドア機能を設ける予定でした。庫内の扉を閉じたまま暖気の流入を防ぐことで、この冷蔵庫はエネルギー消費を削減する革新的な方法となることが見込まれました。

「棚」の使いやすさを追求
家電メーカーのマーケティングチームは、家庭でよく使われる牛乳を簡単に取り出せる、開閉式の「ミルク棚」を提供したいと考えていました。ミルク棚は、ヒンジ部品を介して冷蔵庫の内側本体に取り付けられます。1ガロン分の液体の重量に耐えるため、エンジニアはヒンジにプラスチックよりも高い強度と耐久性が必要だと判断しました。亜鉛の優れた鋳造性、耐摩耗性、構造強度により、亜鉛は理想的な材料となりました。

機能性と安定性に加え、この棚の取付部品は消費者の目に触れるため、意匠性も求められました。意匠性を備えたアルミニウムダイカストにより、目を引くデザインと必要な剛性・強度を実現しました。Dynacast Elginは、意匠性を備えたアルミニウムダイカスト製の棚と、Multi-Slideダイカストによる亜鉛製ヒンジ部品2点の、計3部品を設計・製造しました。
Dynacastのサポート
Dynacastは、設計からダイカスト製造までのあらゆる段階で付加価値をもたらす知見と専門性を、すべてのお客様に提供することに努めています。こうした取り組みにより、今日では多様な業界と地域で、Dynacastは精密に設計・製造された金属部品の代名詞となっています。金属ダイカストに関する豊富な知識と信頼できる実績により、Dynacastはこの家電メーカーにとって価値あるパートナーとなりました。
